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2つの世界大戦をくぐり抜けたClärchens Ballhausの歴史とは?

最終更新日 2020-03-02 Ayumi

2つの世界大戦をくぐり抜けたダンスホールの歴史の背景には、強い女性のダンスホールへかける想いがありました。

ダンスホールとして今も現役で、人々が楽しめる場所を提供しているClärchens Ballhaus。その歴史は、非常に興味深いものです。

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夫婦で始めたダンスホール

Clärchens BallhausClärchens Ballhausは、重厚感のある非常に趣のある建物です。一体どんな歴史を見てきたのでしょうか。

建物自体は1895年に建設されました。時を経て1913年9月13日、Fritz Bühlerが妻Claraとダンスホールを始めました。それが、「Clärchens Ballhaus」のスタートです。

Clärchensは、妻Claraのニックネームから来ているのだそうです。妻の名前を付けたダンスホールなんて、愛がありますね。私は前職で貿易関係の仕事をしておりよく大型船のオペレーションをしていましたが、船のオーナーも、妻や愛人(笑)の名前をつける人が多かった・・。愛の大きさを伝えるためなのでしょうか。

2つの世界大戦をくぐり抜けた

Clärchens Ballhausが特殊な存在としているのが、2つの世界大戦の戦火をくぐり抜けたことです。その背景には、歴史に屈しない妻Claraのダンスホールへかける強い想いがありました。Clara自身は特別ダンスが好きだったわけではなかったようですが、いかなるときもダンスホールに顔を出し、四六時中ダンスホールでダンスを楽しむ人々を見守っていたそうです。

第一次世界大戦後には、社交ダンスやジャズダンスが興盛をみせ、Clärchens Ballhausは人気を博します。1929年には夫Fritzが命を落とします。未亡人となったClaraですが、苦境にも屈せずダンスホールを経営し続けました。そして、1932年には第二の夫と再婚を果たしました。

しかし、その後ナチス軍の音楽やイベントに対する制約が強くなります。1938年、Clärchens Ballhausが25周年を迎えてからまもなく、水晶の夜(Kristallnacht、クリスタル・ナハト)が起こります。

水晶の夜(すいしょうのよる、ドイツ語: Kristallnacht、クリスタル・ナハト)とは、1938年11月9日夜から10日未明にかけてドイツの各地で発生した反ユダヤ主義暴動である。-(Wikipedia)

Clärchens Ballhausも危うく壊されるとことでしたが、強い精神を持つClaraはこの暴動に屈せず、自分が建物の所有者であることを伝え、建物の破壊を防ぎました。

第二次世界対戦が本格すると、ナチス軍が、ダンス禁止令を発行したため、1942年ダンスルームは閉鎖されることとなります。そして、ドイツ軍によって軍事施設として使用されました。

1945年の2月には建物の一部、鏡の部屋が爆撃され破壊されてしまいました。その時は、さすがに強い精神を持つClaraも耐え切れず、辛いときを過ごしたそうです。

その後、第2次世界大戦の終了とともに、Clärchens Ballhausが位置する地区は東ドイツとしてロシア軍の管轄下となりました。東ドイツ時代は、長い戦争の後の復興がなかなか進まず、1960年代になってもまだ戦時の瓦礫が残っていたといいます。

Clärchens Ballhaus1945年7月に再オープンを果たしましたが、そんな状況下においてダンスを楽しむ人の数は減り、戦争前のように人々が集う社交場は程遠いものになってしまいました。たとえ戦争が終わっても、東ドイツ時代はClärchens Ballhausにとって暗黒の時代でした。妻ClaraはClärchens Ballhausが再び多くの人を惹きつけ始める前に、1971年に亡くなりました。

Clärchens Ballhausの復興

Clärchens Ballhaus暗黒の時代の終焉は、2005年に訪れました。劇場経営のバックグラウンドを持ったChristian Schulz と David Regehr の二人が経営を引き継いだのです。当時廃れていたClärchens Ballhausを、食べて、飲んで、踊って、恋に落ちて、祝って、音楽を聴く場所へと息を吹き返させました。

100年を超える歴史を持つClärchens Ballhausが辿ってきた道は、平坦ではありませんでした。でも、歴史の荒波に屈せず妻Claraが守り抜き、その間違に多くの人々に、ダンスを踊る場、人との出会い、新しい恋、人生の楽しみを提供してきたのです。

今も人を魅了し続けている

Clärchens BallhausClärchens Ballhausは、2005年に経営が引き継がれてから、パワーアップし、今はレストラン兼ダンスホールとして、幅広い世代の人々が楽しめる場所になっています。

私がよく遊びにいくのが、月曜日の夜に開催される、サルサパーティー。毎週曜日ことに、違う種類のダンスパーティーが開かれます。火曜日はアルゼンチンタンゴ、水曜日はスィング、木曜日はチャ・チャ、金曜・土曜にはSchwoof。ちなみに、月曜から木曜までは、ダンスパーティの入場料は無料です!

ダンスを踊ったことがない?それでも、心配ありません。初心者でも楽しめるように、ダンスパーティーの前にはダンスレッスンが用意されています。ダンスレッスンから参加すれば、初心者でもその日からダンスを楽しめますね。私はまだサルサパーティーしか行ったことがありませんが、他の曜日のダンスレッスンを受けてみようかなあと考え中です。

私は、Clärchens Ballhausへ通い始めて、新しい友達ができたので、新しい出会いを求めて顔を出してみるのもいいかも。

ベルリンに来たらぜひClärchens Ballhausへ!

[Information]
Clärchens Ballhaus
住所: Auguststraße 24, 10117 Berlin
営業時間:月〜日曜 11:00AM-12:00AM(金、土曜は4:00AMまで)
公式HP:Clärchens Ballhaus

【参考記事】
The Beat Goes On: Legendary Berlin Dance Hall Turns 100

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プロフィール


ayumi

20代後半でワークライフバランスを追い求め、ドイツに移住しウェブ開発者にキャリアチェンジしました。3歳息子の子育てと仕事の両立に奮闘中。

旅行好きが高じて始めた当ブログですが、今は海外移住、語学学習、子育て、と幅広いトピックを扱ってます。
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