ドイツに移住し仕事を始めてからずっと、会社の中で「日本人はひとりだけ」という環境で働いてきました。ドイツで働いて2年が経ち、この環境に慣れてきたのですが、それでも日々過ごしていて、「しんどいな・・。」と思うことはたくさん。
最近、どうしてしんどいと感じるのだろう?とじっくりと考えてみて、思うことや学ぶことがあったので、記事にまとめておきたいと思います。
海外で働いている人なら、同じ経験をしている人はたくさんいるでしょうし、これから海外で働きたいと思っているならきっと同じような境遇になる可能性は非常に高いのではないでしょうか。そう言った方々にも、参考になればいいなあと思って書いてみます。
誰もが母国語で話したいということ
私が今までベルリンで働いてきた会社は、どの会社も共通語は英語でした。ざっくりいうと、ドイツの会社ですが、ドイツ人の割合は半分くらい。あとの半分は、外国人。外国人といっても、スペインやイタリアといったヨーロッパの国出身の人か、もしくはドイツへの移民の割合が多いトルコやロシア語圏の人がほとんど。
一応公式では、会社では英語を使うことになっていますが、同じ母国語を話すもの同士が2名以上集まればやはり母国語で話す方が楽なのでしょう。業務に関係ないことや、会社内でのたわいもない会話はそれぞれの母国語(ドイツ語やロシア語)で行われることもしばしば。
英語を流暢で話すドイツ人も、やはりドイツ語で話します。どれだけ英語に流暢でも、やはり母国語で話すのが一番。母国語には勝てないなあとつくづく思います。
言葉の壁を越えるには「会話へのカットイン能力」が必要だ!
私は、今まで何回かドイツ語やロシア語で話されて、会話の内容が理解できず、疎外感を味わったことが何回かありました。自分がわからない言語で話されている中に存在するって、かなり辛いんですよ。「なんで私はここにいるんだろう?」という不思議な感覚に苛まれます。
それでも、日本人の私たちはどうしても空気を読む文化があり、場の雰囲気を壊さないように必然的にしてしまうところがあります。私の場合、まだ完全に理解できないドイツ語で同僚が楽しく話していると、「ドイツ語を流暢に話せない自分が悪いし、この雰囲気を壊すのはよくない」と自分を殺して耐え凌ぐことを選んでしまいがちになります。
そんな時、この状況を打開してくれる出来事がありました。それは、ドイツ語を話せないイタリア人の同僚と、ドイツ人同僚とランチを食べた時のこと。ドイツ人同僚たちはドイツ語で話し始め、盛り上がっていました。
私とイタリア人同僚は英語でお互い話していましたが、急にイタリア人同僚が、他のドイツ人同僚たちに話題をふったのです!英語で!すると、それをきっかけにドイツ人同僚たちは英語ももちろん達者ですので、難なく英語に切り替えてくれました。
この時、稲妻が落ちたような衝撃を覚えました。「ドイツ語で楽しそうに人々が話していても、自分が彼らと話したいと思ったら、英語で話しかけてもいいんだ!」と。この日から、私はこのスキルを「会話カットイン能力」と名付け、この能力を高められるよう精進しているところです。皆さんも、同じような場面に出くわしたら、空気を読みすぎず、会話カットイン能力を使ってみてください。
日本語を話したくなったら話した方がいい
職場で日本人ひとりでも、仕事で日本語を使う機会があれば、日本語を話すことが恋しくなることはそれほどありません。私も以前は、仕事で日本語を話すことがあったので、たとえ職場に母国語である日本語を話せる人がいなくても辛く感じたことはなかったです。
しかし、今は仕事で日本語を使いません。現在、家ではスペイン語、会社では英語を話すため、日本語を話す機会がなくなりました。すると、時々「に、日本語で話したい!」という扇動にかられることが出るように。
母国語で話すこと、特に母国語で親しい人と話すことが恋しくなることは普通のことだと思います。母国語は自分のアイデンティティの一つですから。日本語が恋しくなった時は、家族や友人に甘えて日本語で思う存分話しちゃった方が楽になれるはずです。
まとめ
今まで紹介した通り、職場に日本人ひとりという環境から、いかに言葉の壁を乗り越えるか、そして自分の母国語を大切にすべきかを学ぶことができました。
大変なこともあるけれど、それでもドイツ人や他の国出身の同僚が私がきっかけで日本の文化やもっと大きくアジアの文化にもっと興味を持ってもらえるようになった経験を何度かしており、その喜びは計り知れません。
職場に日本人ひとりということは、まさにその職場の日本人代表ってこと。この経験から得るものは大きいですよ!
ではでは。
ココ says
初めてコメントします。
いきなりコメントしてすみません。私もドイツに住んでいます。
私の彼はドイツ人ですが、ロシアで育ったので親族の会話は全部ロシア語で、親戚の集まりなどに行くと全てロシア語です。彼らは全員ロシア語とドイツ語が使えます。
私はロシア語が全くわからなくて、ありがとうとか、うん、いいえとかしかわからないんですが、もともと私自体1人大好き人間であんまりおしゃべりが好きじゃないもあって、「なんも考えなくていいし気を使わなくていいからラッキー!」とか思っていました(汗)
彼らが喧嘩し始めても、彼らの会話間の問題なので愚痴は聞いても割って入ったりもしません。
私が喋りたいことがあった時は、突然ドイツ語で「話したいことがあるんだけど」と話しかけるんですが、ふつうにさらっと返してくれます。
「あなたが思ったことだから実行権はあなたにある。いちいち今話してもいいかそんなの聞く必要ない。あなたはあなたに決定権がある。私もあなたからお話し聞きたいな^_^」だそうです。
私も他の人と同じ考えで、たまたま伝える言語が違うだけなんだから、言語が違うから会話をぶち壊すなんて思ってないです。
でも、あゆみさんは外国にいながら日本人のいいところを保っていて素敵だと思いました!
Ayumi says
同じような境遇の方がどのように感じたり考えているのか興味があってこの記事を書いたので、ココさんにコメントをいただいて嬉しいです。実行権は自分自身にある。その通りだと思います。