ドイツで働き始めてから既に2年以上が経ちました。ドイツの働き方は基本的に良い面が多いとは思っているのですが、ドイツ就職では一つ気をつけた方がいいことがあります。それは、試用期間中の過ごし方、です。
ドイツを含めヨーロッパでは労働者の権利が守られています。しかし、ドイツでの試用期間にあたっては、解雇(クビ)になることは普通のことなのです。アメリカの会社は従業員を解雇するとよく聞きますが、ドイツでも解雇は珍しいことではありません。
今回は、ドイツでの試用期間と、解雇されないための過ごし方について紹介していきます。
ドイツの試用期間について
ドイツでは法律で、最大6ヶ月までを試用期間(Probezeit)として雇用することが認められています。この試用期間中は、2週間の通知期間の上で、理由なしに被雇用者(従業員)を解雇することが可能です。もちろん、従業員側が退職したい場合も2週間の通知期間の元、退職することができます。
無期限雇用契約の場合、試用期間が終わると、例え会社側が従業員を解雇したい場合、3ヶ月前に従業員に通知する義務が生じます。つまり、3ヶ月は給料を払い続けなければならないといけないということ。
私の知り合いは、とある会社に勤めていたのですが、その会社が解散することになりました。彼女は無期限雇用契約を結んでおり、試用期間が終わっていたので、通知から3ヶ月間の雇用が保障されたそうです。しかし、試用期間中だった人たちは、通知から2週間で職なしに。このように、試用期間中は、いつ解雇されて職がなくなるかわからないのです。
試用期間中に解雇された例
どんな場合に試用期間中に解雇されてしまうのか、会社側ではなく、従業員側に原因がある場合を見ていきましょう。私が実際に見聞きした原因は以下の通りです。
1)職務内容を満たせず、解雇
経験者として採用されたAさん。会社としては、経験者として、同じチームの人の育成や知識の共有などをAさんに期待していました。しかし、Aさんは会社側が期待していた部分を仕事で満たすことができず、会社側は試用期間中に解雇という決断を取ることに。
契約時にお互い確認しあった職務内容を満たせず、解雇になってしまった例でした。
2)モチベーション不足で、解雇
私の周りでは、会社でも始業時間や終業時間に柔軟な企業が多いです。朝は10時過ぎに出勤する人もいれば、朝早く出勤して、夜は早めに仕事を切り上げて帰る人もいます。
Bさんは、いつも朝10時過ぎに来るのですが、仕事を切り上げるのも人より早め。また仕事中も、時々デスクからいなくなることもしばしばでした。
最終的に、Bさんは試用期間の6ヶ月が終わるときに、契約を終了させられてしまったそうです。職務能力としては問題はなかったそうですが、仕事への取り組み方の面で、評価してもらえなかったのでしょう。
解雇されないために!試用期間中の過ごし方
実は、私もこういった話を聞いていて、試用期間中の6ヶ月はビクビクしっぱなしでした。上司から呼び出される度に、「もしかして解雇を言い渡されるのでは・・?!」なんて。
でも、今まで書いたように、解雇を言い渡されるのは稀なことではありません。会社側に原因があって解雇になる場合もありますが、自分側に原因があって解雇されるのは避けたいところですよね。
解雇されないように試用期間中に心がけたいことをまとめてみます。
1)成果を出す
試用期間中に出来るだけ仕事の成果を出せるように頑張りましょう。試用期間中は、お互いのお試し期間。会社側が期待している成果を出せれば、試用期間は問題なく終わらせられるはずです。
2)出来るだけ休まないようにする
ドイツでは25日から30日程度の有給休暇が付与されます。会社によっては、試用期間中には使えないところもあるそうですが、私が働いて来た会社では試用期間中では休暇を使えました。
でも、試用期間中は出来るだけ休暇を使わないようにするのが、一般的です。上記で紹介した例のように、入社したばかりで長期の休暇を取ると、「やる気があるのかな?」とモチベーションを疑われてしまいかねるからです。私も、休暇は極力取らないようにしていました。
最後に
外国人で労働許可を得てドイツに滞在している場合、解雇されてしまうのは死活問題です。仕事があり納税しているからこそドイツに滞在させてもらえているわけで、職がなければ、ドイツを出ていかなければならなくなります。
そのため、ドイツで仕事を得られれも気は抜かずに、試用期間を乗り越えられるよう、気を引き締めて欲しいと思います。
ではでは。